私はこうして統一教会(現 家庭連合)へ【2】のつづきです。
(大学やめるか)
半ば、心の中でそう決めたが、一つ引っかかることがあった。
それは、私が推薦入学だったことである。
私が中退することで、推薦してくれた高校に迷惑がかかるかもしれないと考えた。
例えば、推薦枠が減らされるとか。
それはまずいと学生課に確認しに行った。
答えはあっさりしたもんだった。
「大丈夫ですよ」
だって。
「中退したいの。なんで?相談にのるわよ」
みたいに心配してくれるかと想像してたが、全然そんなことはない。
ドライだったねえ。
これで気がかりは無くなったわけだが、私は気が小さい。
親にも悪いと思った。
というか、簡単に言い出せないよなあ、と悩み始めた。
他にも悩み事があったのだろう。
自分の性格とかかな。
そのあたりは、覚えていない。
とにかく、うじうじと悩みこんだ。
私の悪い癖である。
ハンストを起こすのだ。
中学生のとき、成績はトップクラスだったのに、重度の自己嫌悪に陥り勉強をしなくなった。
その結果、中の下ぐらいまで落ち込んだことがある。
井上陽水の『自己嫌悪』もよく聴いたっけ。
今回も同様。
大学2年生の後期試験を放棄した。
かろうじて1日目だけは受けたが、2日目からはアパートにこもりっきりになった。
その結果、大半の単位を落とすことに。
まあ、どうせやめるんだからと、自分を慰めたけど。
それでも、優柔不断だからすぐには退学を決行することができなかった。
そんなときだった。
サークル仲間の女の子のアパートに遊びに行ったんだ。
そこには女の子の妹と、彼氏である先輩もいた。
その先輩が良い人でね。
私がボソッと、中退の話をすると、
「やめるなよ」
「卒業しろよ」
と、こんこんと私を慰め説得し始めたんだ。
なんと、それは夜が明けるまで続いたんだよ。
卒業して数年後、偶然その妹にバッタリ会ったことがあったんだけど、
「あの日のことは、今でも覚えてますよ。眠かったあ」
と言われて、苦笑いしたっけか。
ということで、中退はしないことになった。
あそこまで親身になって説得されたらね。
しかし、ここで困ったのは単位のことである。
かなりの単位を落としてしまっている。
もう留年が確定しているのではないか?
やばいよね。
はたして、どうだったのか。
なんとギリギリセーフだったんだよ。
本当にギリギリもギリギリ。
あと1単位でも落としていたら、留年決定だったのである。
正に奇跡だったよ。
これは。
今思えば、後期試験の1日目だけはなんとか受けさせようと、神様が背中を押してくれたんだろうと思う。
とはいえ、崖っぷちであることには変わりなかった。
残る2年間、4回のテストをパーフェクトに収めなければいけないのだ。
私にできるか、そんなことが・・・・。
つづく。
【第3話後記】
ここでも「統一教会」は出てきませんでした。
まだまだ、後になりそうです。
かろうじて「神様」は出てきましたが。
ただ、重要なんです。
大学を4年間で卒業するということが。
留年してたら、東京に行かなかっただろうし、
そしたら、私に統一教会を紹介してくれたMさんに会うことも無かったわけですから。
『時』が大事ということです。
3/15:追記
先輩から説得されるところを訂正しました。
自分から相談に行くことはあり得ないなと気づいて。
そういう性格なんです。