家族



これは、2004年7月頃の話。




私はアイロンをかけていた。 

せっせ、せっせと、かけていた。 

専業主夫でもないのに、かけていた。 

なぜなら、妻の『家事はみんなで分担しよう作戦』が着々と進行中だったからだ。 



そして、もうひとつ、妻はアイロンがけが苦手というのもあるのだが。 

洗濯はするし、食事も作るのは得意中の得意だし、掃除も大丈夫。 

ほとんどの家事はOKなのだが、なぜか、アイロンがけはできぬ。 

まあ、人間、得手・不得手はあるものだ。

それは仕方がない。



そんなある日曜日のこと。 

私はいつものように、家族みんなの分にアイロンをかけていた。 

そこにやってきたのは、当時5才だった娘の友達。 

同じマンションだから、ウチに遊びに来てたんだね。 

一生懸命、仕事(?)をしている私を見てた。 

そして、ぽつんと、一言。




















「なんで、おじさんがアイロンかけとると?」



心底、不思議そうに質問してきた。 

おかげで、妻も私も大いに笑わせてもらった。 



ここは、九州。 

まだまだ、男尊女卑の色が残る。 

娘の友達の家では、父親がアイロンをかけるなんてあり得ないことだったのだ。 

家事分担では、いつも論争がある我が家。 

私は、「ほら、オレはえらかろう」とガッツポーズをして見せたのだった。 

もちろん、北陸出身の妻は不服そうだったけどね。 



By Tadahiro.K

洋楽・ONE OK ROCK・坂本龍馬・hondaが好き。 ハイレゾ音源のAmazon Musicをお気に入りのオーディオで聴きながら、 いろんなことを書いています。

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