ピンポ~ン♪
インタフォンが鳴った。
モニターを見ると見知らぬ男性が。
「誰、この人?」
怪訝な顔をしながらも、無視するわけにもいかず妻は出た。
「もしもし」
電話でもないのに、「もしもし」と言った妻だった。
まあ、それはいい。
モニターに映るそのお客さんはこう言ったのである。
「あのー、すみません、車を停める場所を間違えてませんか?」
その人は、我が家の駐車場のお隣さんだったのである。
妻は毎日車を運転しているのに、何を血迷ったか、ボケてしまったのか、我が家の駐車場9番の隣、8番に間違えて停めてしまったという訳。
それを聞いた妻、
「キャー、すみません、すみません、すぐに行きます」
と、「誰、この人?」と言ったときのトーンから、3オクターブぐらい高い声で謝り、ダッシュで駐車場に降りて行った。
その後、妻は自分のおっちょこちょいなところに大笑いし、息子にこの話を5回もしましたとさ。
ちゃん、ちゃん。