私も妻も若くはない。
疲れていた私たちは、寝室でごろんと横になっていた。
その日の妻は疲れてはいたが、よく喋っていた。
なにかいいことがあったのかな?
一人でぺちゃくちゃと喋っていた。
ところが、突然静かになったのである。
どうしたのかな?と思って横を見ると・・・・、
妻の口が開いていた。
一瞬で眠りに落ちたのだった。
私がゲラゲラ笑っていると、妻は目を覚ます。
事のいきさつを私は涙を流しながら話したが、妻は否定した。
「寝とらんよ」
と。
「夢の中にちょっと行っとっただけたい、すぐに戻ってきたやろ」
と。
(それを寝ていたと言わないのかい?)