その日、妻は張り切って掃除をしていた。
2月中旬、寒さの真っ只中というのに、窓を全開にして。
そこに、寝ぼすけの娘がやっと起床。
しかし、寝起きだ。
ソファに横になり、ボーっとしていた。
しばらくすると、窓が開いていたことにやっと気付いたようだ。
私に頼んできた。
「寒い～～、窓閉めて～～」
「はい、はい」とリビングの窓を閉め、隣の和室の窓を閉めようとすると、続けざまに娘が言った。
「ファンヒーターつけて～」
娘とファンヒーターの距離は約1メートルだった。
だから、人が好い私もさすがにカチンときて、
「自分でつけろや！」
と言ったが、そこは素直に聞くような娘ではない。
結局、私がスイッチを入れてやった。
やれやれ、とソファでくつろいでいると、掃除を終えた妻がリビングにやってきた。
そして、一言。
「コーヒー入れてや」
どこまでもよく似た母娘だと思った。
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