ある日曜日のお昼時、家にいたのは妻と息子の二人だけだった。
妻は、午前中仕事だった関係で、激安スーパーの390円弁当を買ってきた。
そして、家に帰るなり、息子の前に弁当を置き、息子の目の前で弁当を食べ始めたが、息子はマンガをむさぼり読んでいたとな。
妻が食べ終えたときも、息子はマンガを読み続けていたという。
そんな息子にあきれながらも、午後からも用事があった妻は、息子をたしなめる暇も無く、出かけようとしたのであった。
そのときである。
息子が、やっと顔を上げた。
そして、ある一つの質問をした。
「飯は?」
何ということであろう。
息子はマンガに集中しすぎて、目の前に置いてあった弁当に気付いていなかったのであった。
しかも、次の妻の質問にも「YES」と答えたのである。
「あんた、私が弁当を食べていたのにも気付いてなかったやろう?」
あと、これは余談だが、
昔、ラーメン屋のカウンターでマンガに集中するあまり、店の人の
「お客さん!お客さん!お客さん!」
と呼ぶ声になかなか気付かなかった人がいる。
それは何を隠そう、この私なのであった(笑)。