トイレを出ると、私を呼ぶ声が聞こえた。
誰だ?
それは、妻だった。
トイレの前にある和室にいた妻が、私を呼んだのだった。
がらっと戸を開けると、そこには布団に横になっていた妻がいた。
翌日、早起きしないといけないというので、早めに床についていたのだ。
「なん?」
「電気消して~♪」
「は?!」
別に病気だったわけではない。
十二分に健康で、立派な足腰を持っていた。
自分で消せるのは言うまでもない。
だから、私は言った。
「自分で消せや」
すると・・・・、
「とどかないし~♪」
と言いやがった。
なんというヤツ。
立ち上がる必要もないのに。
その部屋の照明のスイッチの紐は長く、上体を起こしただけで十分に手がとどくのだ。
しかし、その時点で私は笑ってしまった。
またもや、妻の勝ちである。
「もう、このやろ」
とか、ぶつぶつ言いながら電気を消した私だった。。。
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