妻は自転車を有料駐輪場に止めていた。
その駐輪場、『最初の1時間は無料』との表示が。
ここに喜劇が起こる要因があるとは、そのときの妻は知る由も無かった・・・・。
『最初の1時間は無料』 これを、妻は強烈にインプットしていた。
主婦だからね。
余計な出費をかけないのは、基本中の基本だ。
だから、慌しく用事を済ませ、どっどっどー と突っ走り、駐輪場へと戻ってきた。
はあはあ、息を切らせながら。
それなのに、それなのに、何ということであろう。
自転車が出せないのである。
時計を見ると、まだ、1時間は経っていない。
壊れているやん、と思った妻。 即、行動に出た。
考えるより、体が先に動く妻だからね。
妻の辞書には『熟慮』という文字は無いのであ~る。
ということで、近くにいた職員の人に怒り口調で訴えた。
「あのー、まだ、1時間経っていないのに自転車が出せないんですけど!」
すると、その人は次のように答えた。
「私は駐輪場の職員ではありませんヨ」
その瞬間、妻の顔は、怒り顔から愛想笑いの顔に変貌していた。。。
つづく。