朝、出勤前に妻は言った。
「今日、早く帰ってくる?もし、早かったら夜食べるものが無いとよ」
その日、妻は仕事で家に帰るのが遅くなるというのだった。
「今日は遅いよ、大丈夫やろ」
早くても夜の9時半ごろ帰宅と思われたから、私はこう答えた。
そして夜になった。
駅に着くと、予想通りの時間である。
でも、念のため、メールすることにした。
『これから帰る。ご飯はあると?』
すると、妻の返信はこうだった。
『ごはんはあります。私は9時半頃、家に着きます』
ああ、あるんだ、と私は一安心。
高校生の娘が何か作ってくれることになったんだろう、とそう考えた。
しかし、家に帰ると、テーブルの上には何も無かった。
娘に聞くと、
「私は適当に食べた」
というのみ。
じゃあ、妻が惣菜でも買ってくるんやろと、待っていた。
その10分後、妻は帰ってきたが、手ぶらではないか。
「えっ!ご飯は?」
「ごはんはあるよ、
ジャーの中に」
確かに、ライスは存在した。
しかしねえ、普通、分かるやろ~。