皆さんは、セルフのガソリンスタンドで灯油を入れたことがおありだろうか。
この話は、妻の勇気あるおばちゃんらしい話である。
灯油の給油方法には、数量指定・金額指定・満タンなどがあり、選択してから入れることになる。
妻は満タンを指定して灯油を入れようとした。
あふれるのが怖かったので、給油ノズルをポリタンクに奥まで押し込んでから、給油を始めたらしい。
灯油のポリタンクの満タンといえば、普通18リットルだが、そのときは途中で止まることとなった。
液晶画面を見ると13リットルと少し。
怪訝に思いながらも、とりあえず給油を終え、車にポリタンクを載せた妻だった。
普通の人なら、そこであっさりと帰るところだが、妻は違った。
『満タンに指定したのに、なぜ13リットルしか入らなかったのか?』
この疑問に対する答えを知らずには、帰れなかったのである。
ガソリンスタンドの店員さんに聞きに行ったのだった。
「13リットルしか入らなかったですよ~」
と、半ばクレーム気味にだ。
その妻に対する店員さんはプロだった。
「給油ノズルに灯油が触れると自動的に止まるようになっているんですよ。18リットル入れたいときは、数量指定で入れられたらいいですよ。」と、丁寧に教えてくれたらしい。
それに対して、この話を聞いた私は、ガソリンスタンドの店員さんのように優しくは無かった。
「バカじゃないと~、そんなのちょっと考えたら分かろーもん。その、店員さんは後で『アホなおばちゃんがいた』と笑っとったはずや」
と、大笑いしながら、けちょんけちょんにけなしたのであった。