これは、2010年10月の話です。
今年の夏は暑かった。
そして、秋とはいえ、半袖で過ごせる時間帯も確かにある。
しかし、息子よ、もうすぐ11月だ。
そして今は夜だ。
何故にズボンを穿かぬ?
いかなる理由で、Tシャツにパンツ姿なのだ?
妻は、この疑問を息子にぶつけた。
だって、パンツ姿で晩ご飯を食べようとしたから。
妻 :「なんで、ズボン穿かんとよ?」
息子 :「だって、無いっちゃもん」
妻 :「無いことはないやろ」
息子 :「洗ってあると、まだ、乾いとらんとよ」
妻 :「じゃあ、別のを穿けばいいやん」
すると、息子は驚くべき返事をした。
「絶対、ダメに決まっとろうもん!!」
これを、真顔で言ったのである。
上下セットの服ではない。
妻が、別々に買ってきたものである。
だから、どんな組み合わせで着ようとも自由なはずなのだ。
それなのに、息子はこのTシャツには、絶対あのズボンと決めていた。
ズボンが無かった息子は仕方なく、パンツ姿となったというわけだ。
だから、この意表をつく答えに、皆笑った。
私も娘も。
そして、妻が一番笑った。
いろいろと息子に言いながら、いつまでも笑い続けた。
「お母さん、笑いすぎ」
と娘が言ったほど。
このように、息子は自分が決めたことに厳格なところがある。
まさか、ここまでとは知らなかったが。
やはり、息子は自衛隊か杓子定規の役人に向いているようである。
※その後、息子は国家公務員になりました。