〔これは、娘が13才頃の話〕
息子は赤ちゃんの頃、皆が思わず振り向くほどの可愛い赤ちゃんだった。
この話をしていると、娘はあることを思い出したようだ。
そして、言った。
「私、注射で一回も泣いたことがないとよ」
これは、真実である。
お医者さんから言われたこともあるのだ。
「この子は強いですねー!」
感嘆してた。
幼児なのに、ムッと構えて絶対に泣かなかった。
ということで、娘はさらに自慢した。
「最強やろ~♪」
私は笑うしかない。
しかしな~、お前は一応、女の子なんだけど。
自慢する方向を間違えてやしないかい?
その娘の強さは大きくなっても、変わらなかった。
大学に入学したばかりのことである。
マクドナルドでバイトを始めたのだった。
しかし、慣れてないから、あるミスをした。
そのことに対して、お客が激昂したのだ。
激しく理不尽に。
それは、別のお客さんが警察を呼ぶぐらいだった。
さすがに、その場で娘は泣いた。
その一部始終を見て、店長は思ったという。
(この子はもう来ないだろうな)
しかし、翌日もケロッとした顔で、マクドナルドに出社したとさ♪
(この子は強い!)
幼児の頃のお医者さんに続き、マクドナルドの店長をも感嘆させた娘だった。