これは息子が高校生だった頃の話。
息子は弓道部に所属しているのだが、大会が近くの大学であるという。
そのことに対して、私は別に関心を示さなかったのだが、妻は違う。
とにかく好奇心が強いのである。
そして、親としての愛情が深い。
見に行きたい、と言う。
朝早くから準備し、チャリンコで会場である大学へと行った。
ところが、その20分後、私のケータイの呼び出し音が鳴る。
妻からである。
「なんだ、どうした?」
と聞くと、妻はこう言った。
「周りは若者しかおらんとよ~」
マンモス大学である。
小さな町のようなものだ。
その大学生だらけの中に、おばさんがぽつんと一人。
弓道の大会を見に来ている親なんて、誰もおらんかったらしい。
「おかしいわねえ、なんで誰も見にこないのかしら?」
と疑問を呈していたが、高校野球とかは別にして、普通、マイナーな競技には誰も行かんだろう。
私は、高校時代ソフトテニスをやっていたが、親なんて誰も来てなかった。
まあ、それはともかく、せっかく見に行った妻だったが、その大学の弓道場の中には入れず、結局、息子の勇姿は見れんかったと。
お疲れ様でした~♪