『男と女はまったく違う生き物である』
と私はときどき思う。
というのも、妻が怒っている理由が分からないことが多いからだ。
何気ない一言で、怒りの沈黙の世界に入ることが多い妻。
「えっ?怒ってるの?何で?」
と聞くと、
「分からんとね」
ときたりする。
で、ある日のこと。
夕食を食べ終えた妻がいた。
私はまだ食べている最中だったのだが、ふと妻の顔を見ると神妙な顔をしている。
ゲッ!!
と私は心の中でおびえた。
それは、突然機嫌が悪くなったときの顔だったからだ。
また、オレの一言に怒りを発したか、と自問自答した。
しかし、分からない。
だから、勇気を出して聞いた。
「どうした?」
すると、妻は答えた。
「ごはん、ちょうだい」
はあーっ????
妻は考えていたのである。
ご飯をおかわりするかどうかを。
自分の体重と相談していたのかもしれない。
とにかく、真剣に迷っていた。
ということで、私はよそってきたばかりの自分の御飯を、少し妻へあげたよ。
妻はおいしそうに食べてたね。
やれやれ、心臓に悪い妻である。